少年サッカーにおすすめ!育成大国ドイツの「フニーニョ」

こんにちは。
ゆーきコーチです。
茨城県水戸市でサッカーコーチをしています。

サッカーに限らず、指導者をしていれば誰しもが悩み・考えることではないでしょうか。

個人を上手くする・強くする…「個の育成」とは?…

この記事では、ドイツ人のホルスト・ヴァイン氏が提唱した「フニーニョ」を解説します。

「フニーニョ」って何?

フニーニョとは、提唱者のホルスト・ヴァイン氏が英語の「Fun(楽しむ)」とスペイン語の「Nino(子ども)」を組み合わせた造語。
正式には、「ミニフースバル」と呼ぶそうです。
ドイツで発祥して、バルセロナで広がり、そしてドイツサッカー協会の推奨により、2019年7月からテスト段階として、10の地域サッカー協会が9歳以下の試合に導入。

内容は簡単にいうと、3対3のミニゲームのことです。

縦25〜30m、横20〜25mのフィールドに、各チームに2つずつゴールを設置

ペナルティーエリアの代わりに、ゴール前6mをシュートゾーン(シュートを打てる場所)として区切ったエリアが設けられている。

ちなみに、オフサイドはありません。

引用:[ドイツ式サッカートレーニング]フースバルトレーニングアカデミー

準備

  1. 幅20~25m、縦32m(ドイツサッカー協会:25~30m)のフィールドを作る。
  2. 12mの間隔でそれぞれのゴールラインにミニゴールを2つ設置する(ミニゴールがなければコーンやマーカーでもOK)。ミニゴールの大きさは高さ1m、幅2m。
  3. ゴールラインから6m離れたタッチライン上にマーカーを置きシュートゾーンを設ける。
  4. センターラインの目印として、タッチライン上にマーカーを置く。
  5. 各チーム最大4人組を作る(3人がプレーして1人は交代役)。
    ドイツサッカー協会ルール:最大5人(3人がプレーして2人が交代役)

進め方

  1. 両チーム出場3名が自チームのゴールライン上に並んで待機する。キーパーなし。
  2. 審判やコーチ、交代選手がタッチライン中央からボールを投げ入れて試合開始(図a)。ドイツサッカー協会:審判なし(必要に応じてコーチが介入)
  3. オフサイドはなし。
  4. ゴールはシュートゾーン内からのシュートのみ認められる(図b)。
  5. タッチラインからボールが出た場合、シュートゾーン以外のタッチライン上からパスかセルフパス(ドリブル)でリスタート(図c)。
  6. ゴールキックや失点した場合、自陣のシュートゾーンからパスかセルフパス(ドリブル)でリスタート(図c)。
  7. フリーキックはすべて間接フリーキック。相手シュートゾーン内でフリーキックを得た場合、最も近いシュートゾーンのライン上からリスタート(PKはなし)。
  8. コーナーキックはなし。
    ドイツサッカー協会:コーナーキックからの直接ゴールは認められる。
  9. フリーキック時、相手選手はボールから3m(ドイツサッカー協会:5m)以上離れなければならない。
  10. ゴールが決まるごとに両チームとも交代選手を順番に入れ替える。

「フニーニョ」のメリット

  • 一人ひとりのボールに触れる回数が多い
  • 少人数、そしてゴールが2つあることで「認知力」の向上
  • 狭い場所でもオーガナイズできる
  • ピッチサイズが狭いため、みんなにシュートチャンス(反対にカウンター時は急いで戻る必要性もある)
  • ポジションを固定する必要がない
  • 交代を自由に、頻繁に回せる(上手い・上手くないで出場時間が左右されない)
  • 特殊ルールを設定しやすい(漸進性・創造性の向上)

などなど、メリットはたくさんありますが…

なんといっても、一人ひとりが多くボールに触れること!

個人的には、これが最大のメリットかと。
小学生年代から戦術を教えることも大切ですが、そもそも技術のない戦術はあり得ないため、目線を上げた状態でボールを扱えたり、周りの状況を認知する能力を伸ばすことが重要です。


「フニーニョ」のデメリット

  • 競争心が芽生えない?
  • ゴールキーパーをやりたい子がいたら?

フルコート(105m × 68m)のピッチがあれば、フニーニョのピッチは3面作れます。
※ミニゴールがなければ、「コーンゴール」でも良いでしょう。

例えば、J1ピッチ、J2ピッチ、J3ピッチとか名前をつけて、勝ったら1ランク上のピッチにいくようにする。

そうすることで、楽しみながら競争心を芽生えさせることができます。

また、繰り返していくと、比較的実力が近いチーム同士の対決となるため、問題を解決するために試行錯誤するようになり、どんなチームも試合に勝ったり負けたりと、たくさんの成功&失敗の体験もできます。

また、1面しか作れず、2チーム分しか作れない人数だった場合。

あえてチーム対抗戦ではなく、交代を自由に回しながら、「誰が一番ゴールを決めた?」みたいにすれば楽しみながら競争します。
もしくは、5分毎にチームを変えて、勝った場合はそのチームみんなに勝ち点3が入るようにして、最終的に「誰が勝ち点を一番多くとった?」みたいにするのも良いでしょう。

そもそも、子どもは競争心を内に秘めているものと考え、そこを工夫して表に出させるのは指導者の役割ですね。

ゴールキーパーをやりたい子がいる場合。

  • GKは、2つのゴールを守る
  • GKがプレーする「GKゾーン」を設定する
  • シュートはセンターラインを越えて、敵陣内に入ってから
  • 希望に応じて、GKは試合ごとにローテーションを行う

このようなルールを決めれば、3対3+GKとしても問題はありません。
GKゾーンから出てはいけない、とすることで後方からのゲームメイクのプレーを学ばせます。
また、2つのミニゴールの間にポジションをとることで、空間認知能力の向上も期待できます。


8人制サッカーの問題点

  • そもそも試合のメンバー外(試合に出れない…)
  • ポジションの固定が必要(GK含め)
  • 人数が多い分、一定以上の認知力が必要

日本の小学生のサッカーは8人制です。

個人的にもっとも問題視すべきと考えるのが、現時点で上手くない・体が小さくいなどの理由で試合に出れないことです。
サッカーを早く始めた・遅く始めた、あるいは早生まれ・遅生まれによって、有利・不利があります。
勝つという「結果」にこだわると必然的に出場時間にばらつきが出てしまいます。
練習なら均等にすると思いますが、いざ対外試合(特に公式戦・大会)となると…

それでも、本人がサッカーが好きで続けて、そのうち出れるようになって成功体験を重ねていければ良いですが、試合に出れずにモチベーションが低下して辞めてしまうこともあります。

次に、ポジションを固定してしまうデメリット。
例えば、ゴールキーパー。
小さい子だとハイボールが届かず簡単にゴールが入ってしまうため、届く可能性がある大きい子がゴールキーパーをやるケースが多いです。
ただ、まだ小さい子でもキーパーとしての才能を持っているかもしれないし、逆に大きい子がフィールドとしてもっと上手くなる可能性もある。

最近でこそ、ポジションを固定しないで試合をしているチームも増えてきていますが、固定しているチームが多いのが現状です。

最後に、参加人数の問題点。
8人制の場合、フィールドには自分以外に計15名の選手が入り乱れます。
サッカーというスポーツは、ボールだけではなく、相手、味方、スペース、ゴールを見なければいけません。
そして、「何が起こっているのか?」や「何が起こりそうなのか?」など、状況を理解しながら効果的にプレーすることを学ぶ必要があります。

しかし、認知力がそこまで発達していない子どもの場合は、周りで何が起こっているのか把握しきれずにプレーをすることになり、良いプレーができずに試合が終わってしまうことがあります。
そのような試合をすると、本人も「何がよくなかったのか?」を学ぶことができませんね。
子どもの能力に合わせて、3人制、5人制、8人制…
ステップバイステップで、最終的に11人制のサッカーの理解へと結びつけていくことが大切です。


 

まとめ

今回は、個の育成について、ドイツ発祥の「フニーニョ」にフォーカスしました。

チーム全体の強化ももちろん大切ですが、同じくらい個の育成も大切です。

ちなみに、ドイツではフニーニョを10歳未満のカテゴリーの公式トーナメントとすることで、子どもたちがレベルに合わせて優劣に関係なくサッカーを楽しめることを主眼に置いているそうです。

確かに、そもそも楽しくなくては、子どもは辞めてしまいますよね。

日本でも、楽しいから始めたサッカーが嫌いになって辞めてしまう、ということが少しでもなくなるような文化になってもらいたいです。

今後も引き続き、個の育成に関する記事は書いていきますので、引き続きよろしくお願いします。

最後に、私も実際に参考にしている本を一冊だけ紹介します。

「小さなチームによるサッカーの試合」をベースとした、様々なトレーニングメニューが載っています。

幼児から小学生(低・中学年)を指導している方は、おすすめの一冊です。