こんにちは。
ゆーきコーチです。
茨城県水戸市でサッカーコーチをしています。
これから、サッカーコーチをする人。
現在、サッカーコーチをしている人。
「サッカーコーチの仕事って、資格とかあるの?必要なの??」
そんな疑問を持たれている人も多いと思います。
この記事では、そんな疑問にお答えします。
資格(ライセンス)の種類
サッカーコーチを始めたばかり、あるいはこれから始める人にとっては、どんな種類があるのか気になりますね。
まずは、基本的なことをおさえましょう。
サッカー界の頂点に君臨しているのが、FIFA(国際サッカー連盟)です。
その傘下に、日本サッカー協会(JFA)、ヨーロッパサッカー連盟(UEFA)、アジアサッカー連盟(AFC)、南米サッカー連盟(CONMEBOL)、アフリカサッカー連盟(CAF)などの組織があります。
[国内ライセンス]
JFA(日本サッカー協会)公認の資格があります。
日本の指導者は、こちらが一般的な資格となります。
引用:JFAホームページ
[海外ライセンス]
UEFAライセンスとは?
UEFA(欧州サッカー連盟)加盟国で監督をするのに必要な資格。
各国それぞれにサッカー協会があり、資格も存在します。
例えば、サッカーの母国イングランドでは?
- F.A Level 1
- F.A Level 2
といった感じで、イングランドサッカー協会(FA)のライセンスがあります。
サッカーコーチとしての第一歩は、レベル1を取得するところから始まるようです。
その上に「UEFAライセンス」といって…
- UEFA Bライセンス
- UEFA Aライセンス
- UEFA A Proライセンス
があります。
上には上がある、ということですね。。
レベル1から始まりレベル2…
そして、レベル2を取得した後、UEFA Bライセンスの取得へと続きます。
最終的には、プロ監督レベルのUEFA A Proライセンスとなります。
指導者にとって、世界最高峰のライセンスですね♪
ちなみに、ドイツだと国内のプロライセンスでがそのままUEFAライセンスとなるようです。
※フースバルレーラー(日本のS級相当)=UEFA A Proライセンス
ただ、いづれにしても国ごとにライセンスコースに大きな違いはなく、UEFAがそれぞれに実技や講義の最低時間数や内容を決めています。
AFCライセンスとは?
アジアサッカー連盟の資格。
2018年には日本サッカー協会の資格が「認められた」ようです。
例) JFA公認指導者ライセンスB級 ⇄ AFC Bレベル
引用:JFAホームページ
日本サッカー協会(JFA)はこの度、アジアサッカー連盟(AFC)加盟協会で初めて「PRO Level Membership」 を取得しました。
この認定により、JFA公認指導者ライセンスのS級、A級コーチジェネラル、B級ライセンスについてはAFCのライセンスとして認められ、AFC Coaching Convention のロゴも規定に則って使用できることになりました。
2007年からJFAとAFCのライセンスは互換性を認められていましたが、2017年9月、AFCによるライセンス認定の手続きが整備され、加盟協会に改めて通達されました。書類による審査と、AFCコーチングパネルのメンバーによるアセスメントが全て終了し、2018年12月、AFCよりPro Level Membership の認定を受けました。
なお、メンバーシップのステータスは以下の3段階です。
AFC B Level Membership:
加盟協会Bライセンスまで認定AFC A Level Membership:
加盟協会Aライセンスまで認定AFC Pro Level Membership:
加盟協会Proライセンス(※JFA=S級)まで認定
国内・海外ライセンスのメリット・デメリット
日本国内も海外の資格も、一段一段と階段を上がっていくことに変わりはありません。
では、それぞれのメリット・デメリットとは?
※あくまで個人の見解です。
取得できる場所は?
JFA公認指導者ライセンスは日本国内の様々な地域で取得できます。
海外ライセンスは、基本的にはその国に行かないと取得できません。
海外渡航する場合は、外国語スキルが必要となってきます(資格によっては永住権も必要)。
国内なのか、海外渡航なのかは大きなメリット・デメリットです。
ただ、日本人がスペインやドイツ、イングランドなどの海外ライセンスを取得しやすいサポートを行なっている組織もあるため、そちらを有効活用するのもありです。
例)
いづれにしても、これらの「サッカー強豪国」のライセンスは「留学」することになるので、お金もかかりますし簡単ではありません。
日本国内で取得できる海外ライセンスは?
日本のC・D級相当のベーシックレベルであれば、IFCOなどが日本で取得できるプログラムを定期的に行なっています。
受講・合格の条件は?
JFA公認指導者ライセンスは、B級以上になると、ワンランク下のライセンスを保有していることが条件になります。
海外ライセンスも基本的には同じなので、ここについてのメリット・デメリットはありません。
ただ、JFA公認指導者ライセンスは国内の人でも少し取得しづらいように感じます。
例えば、B級を受講するには地域のサッカー協会の推薦が必要となることが多く、土日のトレセン活動への協力などができない人は受講資格を得られないことがあります。
また、A級以上ともなると間口はさらに狭くなり、サッカー界に深いつながりがないと厳しい印象です。
海外ライセンスについては、一定レベル以上のチームに所属していることを条件とするなど、日本よりも受講資格が明確化されているため、努力を重ねていけば受講できるチャンスが平等なのがメリットです。
合否の基準について、日本のA級以上は高い実践指導のスキルが問われるのに加えて、不合格にするための粗探しをしているように思えます。
「不合格となり、理由を聞いても回答をもらえなかった…」という話を聞くこともあります。
その点、海外ライセンスについては、留学した日本人の合格率は高いです。
プロライセンスの人数を制限したい日本と、プロライセンスの人数を増やしたい海外の違いなのかもしれませんね…
更新の手続きはあるの?
JFA公認指導者ライセンスも海外ライセンスもほとんど内容は変わりません。
C級以上はリフレッシュポイントを更新時までに取得する必要があります。
※リフレッシュポイントは特定の講習会などに参加することで得ることができます。
一方で、海外ライセンスもベーシックレベルでの更新は不要ですが、B級相当のもの以上となると、同じようにリフレッシュポイントを取得して更新する必要があります。
それぞれのライセンスの価値は?
日本のライセンスは、資格レベルに応じて日本国内の公式試合に帯同(ベンチ入り)ができます。
海外ライセンスの場合には、日本ライセンスと同等扱いになるもの・ならないものがあるので注意しましょう。
講習を受けて、実技を通して資格をとったのに、日本で使えない…
となっては困りますね。
サッカーの指導者には資格が必要なの?
JFA(日本サッカー協会)では、次のように明記してあります。
指導者の資格にはS級コーチライセンス、A級コーチジェネラルライセンス、A級コーチU12ライセンス、B級コーチライセンス、C級コーチライセンス、D級コーチライセンス、キッズリーダーがあります。また、指導者付加ライセンスには、ゴールキーパーA級コーチライセンス、ゴールキーパーB級コーチライセンス、ゴールキーパーC級コーチライセンスがあります。それぞれの指導者養成講習会に参加し、講習会を修了した者にそれぞれのライセンスが付与されます。
・・・指導者に資格が必要かどうか、の質問の回答になっていません。。
ちなみに、日本代表チームやJリーグ(プロチーム)については、S級コーチライセンスを保有していなければならない。または、S級コーチライセンスと同等以上の資格を有している必要があると明記しています。
たぶん、この記事を読まれている方が知りたいのは、小学生や中学生のサッカー指導では資格が必要なの?ということかと思います。
これについて、結論から言うと都道府県のサッカー協会によって、そしてリーグによっても異なるという言い方になります…
ジュニア(小学生)はD級ライセンス以上が必要
2020年度以降、公式試合に帯同するには、JFA公認指導者ライセンスのD級以上が必要となるようです。
今までは、資格がなくても帯同できましたが、問題視されている「サイドコーチング」や「コーチとしての振る舞い」の質の低さが原因でしょう。
コーチの質の向上という意味では、とても良いことかと。
これから指導者を始める人は、最低でもD級ライセンスは取得しましょう。
日数についても、2日間ほどしかかかりません。
ジュニアユース(中学生)の年代も今後は必要に
公式試合においても、ライセンスは基本的に必要ありません。
例えば、関東リーグ(2019年度)の要項をみても、そういった規定はありません。
推奨レベルとして、中学生はC級以上、高校生はB級以上、みたいな雰囲気はありますので、今後は必要になってくるかもしれません。
最低でも、C級ライセンスは取得しておきましょう。
審判をするなら「審判員の資格」は必要
小学生の公式試合からプロチームの公式試合まで、審判をする場合は必ず審判免許が必要です。
育成年代の公式試合では、地域のサッカー協会から資格保有者が派遣されますが、帯同スタッフが主審・副審を行うケースもあります。
監督・コーチとして帯同して、審判をやることになったものの…
「審判免許がない…」なんてことになったら大変ですね。
小中学生の年代のコーチであれば、最低でも4級審判の資格は取りましょう。
引用:JFAホームページより
サッカー審判員の資格は1級、女子1級、2級、3級、4級とあります。4級審判員は都道府県サッカー協会を構成する支部・地区協会/市区郡町村傘下の団体、連盟が主催する試合、3級審判員は都道府県協会が主催する試合、2級は地域協会が主催する、そして、1級、女子1級審判員は、日本協会の主催する試合の主審ができる技能があると判断されます。
審判になるためには、原則として、都道府県サッカー協会の主催する4級審判員取得講習会を受講する必要があります。その後、3級、2級、女子1級(女性のみ)、1級と昇級試験を受けていきます。ちなみに、1級、女子1級審判になるためには、JFAまたは地域サッカー協会が主催する認定審査会に参加し、審査に合格する必要があります。
フットサルもサッカー同様に1級から4級の資格がありますが、女子1級審判員の資格はありません(女性も1級審判になるためには、男性と同じ1級の認定試験に合格する必要があります。)。
ビーチサッカーについては、現時点では資格制度がありません。
すべての審判員は、年1度更新講習会に参加することが義務付けられていますが、4級審判員については、インターネット上で更新講習を受講できるJFAラーニングによるサッカー4級更新講習会を、フットサル4級も同じくネット上で講習会を受けることができます。
「資格を保有している=良い指導者」ではない
以前、「本田圭佑」選手のツイートが話題となった。
何度でも言いたい。プロの監督になるためのライセンスなんていらない。どう考えてもこの制度は本質からズレてる。プロの経営者になるのにライセンスが必要ですか?
— KeisukeHonda(本田圭佑) (@kskgroup2017) September 14, 2019
確かに、「決まり事」として資格が必要なのは事実です。
講義や実技を通して、指導者として必要なスキルが身につくことも事実です。
そして、資格をとることで指導者の「自信」につながることもあります。
(資格をとったことで、慢心・傲慢になっている人もいるように思えますが…)
ただ、子どもたちからすると、大切なのは 「資格を持っている・持っていない」ではないことも事実です。
そのコーチと出会って…
サッカーが上手くなった!
サッカーがもっと好きになった!
人間として、成長できた!
ということに尽きます。
これは、個人的な意見ですが、良い指導者かどうかの指標は次のように表せます。
[指導者レベルの方程式]
(知識 ➕ テクニック) ✖️ 経験 ✖️ 愛情・情熱 |
資格の保有とは?
レベルに応じた知識とテクニック及び「権利」の獲得です。
ただ、資格があっても、経験がゼロであれば、指導者レベルはゼロです。
また、いくら知識や経験があっても、そこに「想い」がなければ同じくゼロです。
逆に、いくら愛情や情熱があっても、学ぶ姿勢がなければ、こちらもゼロです。
おわりに
これから『AI・ロボットの時代』がやってきて、機械ができる仕事は機械に置き換わっていく。
どういった仕事が、機械に奪われて消えていくのか?
一説によると、知識が重要な仕事ほど早く消えると言われています。
今回の記事のテーマに当てはめると、資格を保有しているだけでサッカーコーチという仕事が成り立つのであれば、同じようなことをロボットでもできるといえます。
そんなことは決してないし、あってはならないこと。
指導者が相手をするのは人です。
今まで通用した知識が通用しないことは山ほどあります。
資格は確かに必要ですが、資格に満足せずに常に学ぶ姿勢をもって。
その上で、日々の経験を積み重ねて。
そこに「想い」が加われば、きっと最高の指導者に近づいていけるはず。
最後に、おすすめの動画を紹介します。
時間がある時にでも、ぜひ視聴してください。
また、DVD(教本)として持っておきたい方は購入も可能です。